ς小学生のお子さんと楽しみながら英語の学習ができる映画を紹介したいと思います。
こちらで紹介する映画は、公開から80年以上前のものから、新しいものでも20年経っている、いわば古い映画の部類に入ってしまうものばかりかもしれません。
だけど、一度見るともう一度見たくなる。
心震えるセリフや歌が、珠玉のストーリーをいやでも盛り上げてくれます。
名作と言われる映画には年代を越えて人々の心を打つ「変わらない」感動があります。
さあ、ママもお子さんと一緒に感動の映画の旅に出発しましょう!!
おうち英語小学生オススメ映画①サウンド・オブ・ミュージック
小学校の唱歌として知らない日本人はいない「ドレミの歌」を生み出した『サウンド・オブ・ミュージック』
歌の持つ力と家族のきずな、そして平和への思いがつまった傑作を親子でぜひ楽しんでいただきたいです。
上映時間 | 日本公開年 | 主演 | 製作 |
174分 | 1965年 | ジュリー・アンドリュース | アメリカ |
サウンド・オブ・ミュージックあらすじと鑑賞方法
1938年、舞台はオーストリアのザルツブルク。
修道女見習いのマリアは、7人子どものいるトラップ家の住み込み家庭教師となります。
これまでイタズラをしかけて何人も家庭教師を追い出していた子どもたちも、実は母を亡くし父に構ってもらえない寂しさを抱えていました。
妻を亡くしてから特に軍隊式で子どもたちを厳しくしつけていた大佐。
ある日、大佐が町へ出かけた日、マリアは子どもたちにカーテンで作ったおそろいの服を着せ、山へ遠足にでかけます。
母親の死後禁じられているという歌を子どもたちに教え、一緒に「ドレミの歌」を歌います。
歌を取り戻した子どもたちは、すっかり元気になり、マリアを心から受け入れていくのでした。
すっかりはしゃいで、川遊びをしたり、木の上に登ったり。
しかし、厳格な大佐はそんなマリアを見て、解雇を言い渡すのでした。
……続きは、DVDで!!
少し長いので、お子さんと見るときは何回か休憩をはさむとよいでしょう。
最初は無理をせずに「日本語字幕」で見て、おおまかな内容理解に集中しましょう!
標準的で上質な英語が使われているので、聞き取りにもオススメです。
DVDの特典映像に歌のシーンだけピックアップされた「シングアロング付きの映像」があるので、全部映画を見た後にぜひ見て歌にトライ!
映画の感動と相まって、歌詞の内容にグッときますよ。
サウンド・オブ・ミュージック「すべての山に登れ」に励まされる!
感動シーンをいくつか挙げてみると……
- 冒頭の空から映したオーストリアの美しい山々の風景からのマリア登場場面(歌「サウンド・オブ・ミュージック」)
- 山への遠足シーン(歌「ドレミの歌」)
- 雷を怖がって、マリアの部屋へ子どもたち全員が集まってくるシーン(歌「私のお気に入り」)
などありますが、何と言っても注目して欲しいのは
- 大佐への愛に気づき修道院に戻ってきたマリアを修道院長が勇気づけるシーン(歌「すべての山に登れ」)
です。
世の中うまくいかないこと、悩みなどいろいろありますが、一歩ずつ前を向いて進んでいくことの大切さを伝えてくれる歌です。
著作権の関係で英語詞はのせられないので、冒頭の部分だけ私訳したいと思います。
Climb every mountain(すべての山に登れ)
登って すべての山に
探して そこかしこを
追いかけて すべての脇道を
すべての道を あなたが知りうる
登って すべての山に
渡って すべての流れを
追いかけて すべての虹を
あなたがあなたの夢を見つけるまで
(後略)
実はこの歌、もう一度映画の別の箇所に登場します。
そこでこの歌詞の意味がさらに心に染みるはず。
どうぞ注目してみてくださいね!!
サウンド・オブ・ミュージックこぼれ話~マリアご本人が出演していた?
原作はマリア・フォン・トラップによる『トラップ・ファミリー合唱団物語』であり、実話です。
世界恐慌が始まる少し前の1926年、トラップ少佐(映画では「大佐」)とマリアは出会いました。
やがてドイツにオーストリアは併合されていき、トラップ一家は祖国を追われスイスへと亡命し、その後一家は映画のストーリーを上回る波乱の人生を送っています。
お子さんが理解できる年頃であれば、平和について親子で話すチャンスではないかと思います。
映画化された時、原作者マリアはまだご存命で、主役のジュリー・アンドリュースの素晴らしい演技を絶賛していたということです。
そして、ご本人はなんと映画のワンシーンに登場しています!!
映画の序盤、マリアがトラップ家を訪れる直前に、町中で重い荷物を持ってアーチの下をくぐり抜けていくシーン。
画面の左奥に民族衣装を着た女性と、二人の少女がいるのですが、この女性がマリアご本人で、少女たちは娘とお孫さんだそうです!!
驚きですね!!
一瞬の登場シーンですが、ぜひ探してみてください。
おうち英語小学生オススメ映画②ハリーポッターと賢者の石
英国の人気小説『ハリー・ポッター』シリーズの第一作をオススメします。
魔法のシーンの実写化に、ドキドキ・ワクワク連続です。
上映時間 | 日本公開年 | 主演 | 製作 |
152分 | 2001年 | ダニエル・ラドクリフ | アメリカ |
ハリー・ポッターと賢者の石 あらすじと鑑賞方法
幼い頃に両親を亡くしたハリー・ポッターは唯一の肉親である叔母家族と暮らしていました。
叔母夫婦は一人息子を溺愛し甘やかす一方、居候であるハリーに辛くあたる毎日で、ハリーは孤独を感じながら生活していました。
ある日、「ホグワーツ魔法学校」からの入学許可証がハリーに届きます。
叔母夫婦はハリーを連れて入学許可証が届かない場所へと逃亡し、ハリーを魔法学校へ行かせまいとします。
しかし、ついにホグワーツからの使者・森と鍵の番人ハグリッドがやってきて、ハリーが魔法使いであることを告げます。
叔母夫婦も魔法の力には勝てず、晴れてハリーは魔法学校へ入学することに。
魔法学校での新しい生活に心踊らせるハリー。
しかし、魔法学校ではハリーの両親の死をめぐる対決が、彼を待ち受けていたのでした……。
まずは日本語字幕で鑑賞して、内容をしっかり楽しみましょう!!
役者さんたちは全員イギリス人が起用されているので、イギリス式の発音であることに注目しましょう。
具体的に言うと、普段日本人が聞き慣れているアメリカ英語のような(R)の発音(巻き舌音)が、イギリス英語では入りません。
個人的にはハーマイオニー(エマ・トンプソン)のおしゃまな話し方が魅力的なので注目していただけたらと思います。
アメリカ英語とは違う、イギリス英語独特の響きを楽しんでみてください。
また数々の呪文英語も注目してみましょう。
- Alohomora(アロホモラー開け)
- Expecto Patronum(エクスペクトパトローナムー守護霊よ来たれ)
- Wingardium Leviosa(ウィンガーディアム・レビオーサー浮遊せよ)
ハリー・ポッターと賢者の石 圧巻の魔法シーンの数々
ハリー・ポッターといえば、圧巻の魔法シーンが見どころです。
もちろんCG(コンピュータ・グラフィックス)が多用されているのですが、ロンドンの美しい街並みや架空の生き物や幽霊まで、見事に自然に表現されていて、どのシーンも美しいのです。
オススメの魔法シーンは以下になります。
- ハグリッドとの買い物シーン(ダイアゴン横丁)
- 組分けシーン(ホグワーツ大食堂)
- 寮への移動シーン(気まぐれ階段)
- クィディッチ試合シーン
中でもイチオシのシーンはこれです。
- ホグワーツ行きの列車ホームを探すシーン(キングス・クロス駅9 3/4番ホーム)
駅へ向かう途中でハグリッドは姿を消してしまい、ハリーは一人で列車に向かうことに。
もらった切符に書いてあるホグワーツ行きのホームである9 3/4番ホームが見つかりません。
考えてみると、分数がホームの番号に混じっているなんて、不思議ですよね!
そこで自分と同じ新入生らしき子どもが母親に言われ、9番ホームと10番ホームの間の柱にカートごと飛び込んでいくのを目にします。
ハリーも真似をして飛び込んでみると、一瞬のうちに9 3/4番ホームの中に入り込んでおり、柱はもとどおりにふさがっています。
そして、ホグワーツ行きの列車を見つけて無事乗車するのでした。
このシーンは、映画の中でも最も人気のあるシーンだそうですよ!!
それまではハグリッドが案内をしてくれていたからこそ、何とか魔法学校入学準備の買い物ができました。
このシーンはハリーが一人ぼっちで一つの試練を乗り越えた最初のシーンとなりました。
まるで観客も9 3/4番ホームへハリーと一緒に迷い込んだような、そんなワクワクする気持ちを共有できるシーンだから、人気なのでしょうね。
ハリー・ポッターと賢者の石 こぼれ話~親もオーディションの対象!?
ハリー・ポッターの原作者はイギリス人ファンタジー作家であるJ・K・ローリングです。
お話の舞台もイギリスですが、映画を作ったのはアメリカのワーナー・ブラザース社で、監督のクリス・コロンバスはあの1990年に「ホーム・アローン」で大成功を収めた人です。
しかし、「ホーム・アローン」の主役であるマコーレー・カルキンの両親はカルキンに支払われた出演料を巡って裁判沙汰になるなど、映画の大ヒットの陰で問題を起こしていたそうです。
このことを教訓とし、コロンバス監督は「ハリー・ポッター」子役のオーディションに当たり「どんな両親か」ということも選考上の考慮事項としていたとのことですよ!
また、9 3/4番ホームのロケ地として使われたロンドンのキングス・クロス駅について。
実際のキングス・クロス駅には9番ホームや10番ホームは実在しません。
しかし、4番と5番ホームの間が撮影に使われたということで、今では駅に撮影スポットや、ハリー・ポッター専用のお土産屋さんもできていて、連日にぎわっているそうです。
他にも、組分けシーンに出てくる大食堂は、イギリスオックスフォード大学のクライストチャーチカレッジで今も使われている食堂がモデルとなっていて、見学できる時間帯もあるようですよ。
↑ホグワーツ魔法学校のロケ地となったオックスフォード大学クライストチャーチカレッジです。
実はン十年前ロンドンにホームステイ中、一日旅行でオックスフォードの町を訪れたことがあります。
なんと街中にカレッジ(日本風に言うとキャンパス)が38あり、昔ながらの重厚な石造りの建物が多く、街全体が大学ということをイギリス人は誇りに感じています。
その成立は11世紀というのですから、驚きですね!!
歴史的建造物を現役のキャンパスとして使用するのは、古いものや歴史を大事にするイギリス人らしさを感じます。
今はハリー・ポッターシリーズのロケツアーが人気だそうで、ぜひいつか行きたいですね!
おうち英語小学生オススメ映画③オズの魔法使い
最後に紹介するのは、『オズの魔法使い』です。
上映時間 | 日本公開年 | 主演 | 製作 |
101分 | 1954年(1939年アメリカ) | ジュディ・ガーランド | アメリカ |
オズの魔法使い あらすじと鑑賞方法
竜巻が多く発生するアメリカ・カンサス州。
両親を亡くしたドロシーは、愛犬トトと共にエム叔母さん夫妻と農場で暮らしていました。
ある日トトが地主のガルチさんにかみついてしまい、怒ったガルチさんがトトを連れて帰ってしまいます。
間一髪、ガルチさんのバスケットから逃げ出してトトはドロシーの元へ戻るのですが、トトと離れたくないドロシーは家出を決心します。
途中怪しげな占い師に出会い、エム叔母さんがドロシーの家出を悲しんでいる様子を水晶玉に映し出したのを見て、ドロシーは後悔して家に引き返します。
その時、突然村を激しい竜巻が襲いかかります。
叔母さんを探すも見つからず、自分の部屋にトトと共に避難したドロシー。
竜巻は無情にも家ごと吹き飛ばし、ドロシーが気づくと、見たこともない不思議な夢のような美しい光景が広がっているのでした。
……続きはDVDでお楽しみくださいね!!
最初は日本語字幕で内容把握に集中しましょう。
オズの世界で出会う3人の仲間が欲しがっているものに注目してくださいね。
オズの魔法使い 愛犬トトの役割と仲間たちに注目
セリフは一切ありませんが、ドロシーの愛犬トトが意外にも物語の中で重要な役割を果たしています!
みんなが文句を言いたくても言えない地主のガルチさんにかみついたり(エム叔母さんは「大人しい犬でめったにかみつかない」と証言)、
尻尾を振って、愛想よく3人の仲間たちに近づこうとしたり、西の魔女の城へ仲間を案内したり。
絶妙なタイミングで、事件を起こしたり(?)解決したりしてくれます。
映画で注目して欲しいシーンは、
- 冒頭シーン(地主ガルチさんに対する不満をドロシーが農夫や叔母さんにぶつけたのち歌うシーン)
- オズの魔法使いの正体が分かるシーンです。
この農夫たちは後にオズの国で出会うカカシ、ブリキ男、ライオンにどこか似ています(実は同じ役者が演じます)。
心配ごとの絶えないドロシーは、「心配事のない世界へ行きたい」と願い、『虹の彼方に』を歌います。
この『虹の彼方に(Over the Rainbow)』はミュージカル映画史に残る名曲。
子ども向けの英語の歌!親子で楽しく覚えられるオススメの歌を紹介
「心配事のない世界」とは果たして「虹の彼方」に存在するのでしょうか。
当初「シーンが間延びする」とカットされそうになっていたこの歌唱シーンは、スタッフたちの懸命な説得で無事フィルムに収められたそうですよ!
ドロシーがオズの国で出会った3人の仲間たち。
3人が欲しがっているものは以下のとおりです。
- カカシ(scarecraw)→脳みそ(brain)
- ブリキ男(tin man)→心(heart)
- ライオン(lion)→勇気(courage)勇敢な(brave)
そして、家に帰りたいと願うドロシーは何度もこの言葉を言います。
- There’s no place like home.(我が家に似た場所は他にはない→我が家が一番いい!!)
これら4人の願いに関するセリフに注目して聞き取ってみてくださいね!
オズの魔法使いは本当に彼らの願いをかなえてくれるのでしょうか。
またオズの魔法使いとはいったいどんな人物だったのでしょうか。
悩みのない国へ行きたいと最初に願ったドロシーは、カンサスの叔母さんの家に無事帰れるのでしょうか。
本当に大切なものは、探さなくても身近なところにあるという気づきを与えてくれる名台詞がいくつか登場します。
映画だけでも十分に楽しめると思いますが、以下にあげる原作を読むとさらに味わい深くなるのではないかと思います。
オズの魔法使い こぼれ話~別の俳優さんが主役予定だった
原作者はライマン・フランク・ボームで、1900年に児童文学として発表されました。挿絵はW.W.デンスロー。
このデンスロー挿絵によるカラー挿絵のオリジナル本は当時大変な人気だったようです。
興味のある方は一読してみてはいかがでしょうか。
主役のキャスティングにおいて、MGM映画会社は当初、別の20世紀フォックス映画の子役スターや他もう1名を主役候補としていました。
ところが、所属会社から次々に断られてしまったため、仕方なく自社の新人であったジュディ・ガーランドが起用されたのだそうです。
新人ながら堂々とした演技や歌を披露したジュディ。
主役が彼女だったからこそ、後世に残る名作となったことは紛れもない事実といえますね。
「オズ(OZ)」という名前の由来は、作者が仕事中に眺めた本棚のファイルにあったラベル「O~Z」(その前は「A~N」)を用いたということです。
「ドロシー」という名前は、子どもがいなかったボーム夫妻が可愛がっていた、めいの名前だったそうです。
でもめいのドロシーは難病のためわずか生後5ヶ月でなくなってしまい、悲しみにくれている妻を元気づけるため「オズの魔法使い」の主人公の少女にドロシーと名付けたといわれています。
愛犬トトを演じたのはケアーンテリアの俳優犬のテリーで、女の子です。
なんと撮影中に出演者に足を踏まれて骨折というアクシデントに見舞われたそうですが、それを乗り越えて映画は大ヒット。
なんと映画の大ヒットとともにテリーの人気は絶対的なものとなり、当時の俳優さんよりもたくさんお給料をいただいていたそうですから、驚きですよね。
「オズの魔法使い」出演のインパクトが大きすぎて、実際の名前も映画出演から3年後に「トト」と改名したそうです!
まとめ
- おうち英語小学生オススメ映画①サウンド・オブ・ミュージック
- おうち英語小学生オススメ映画②ハリー・ポッターと賢者の石
- おうち英語小学生オススメ映画③オズの魔法使い
おうち英語小学生向けオススメ映画3作品の中に、ママたち自身もよく親しんできた作品がいくつかあったのではないでしょうか。
どの作品もじっくり見直してみると、子どもの頃の感動したシーンを思い出し懐かしい気持ちになったのではないでしょうか。
また、改めて見返すと目線が変わって、作品の意図や時代背景など、子どもの頃には気づけなかった新たな発見があったかもしれません。
ぜひ、新鮮な気持ちでお子さんと一緒に映画を楽しんでみてくださいね!
ご来店ありがとうございました。.
またのご来店をお待ちしております。
関連記事
子ども向けの英語の歌!親子で楽しく覚えられるオススメ6曲を紹介
英語絵本読み聞かせはおうち英語の第一歩! 驚きの3つの効果とは