ドーンという爆音とともに夜空に大輪の花を咲かせる花火大会は日本の夏の風物詩。
コロナ禍では多くの花火大会が中止を余儀なくされましたが、以前は全国で年間行われていた花火大会は約4500回ともいわれています。
夏の納涼花火大会といえば、友人同士、恋人同士、あるいは家族で楽しむイメージですね。
子育てが一段落した50代。それぞれ子どもたちは独立、あるいは結婚などにより、家族のライフスタイルに大きな変化が訪れる時期です。
そうしたイベントに対して、どことなく後ろ向きな気持ちになっていませんか!?
特に、子どもたちが家を出てしまい2人だけの生活になっている日本の夫婦の場合、子どもたちもいないのに、今さら、と夫婦だけのお出かけに消極的になっていく傾向があるようです。
今でも花火の音を聞くと気分はソワソワ……でも同居の子どもがいないとわざわざ花火大会の会場まで足を運ぶ気にならないなんて、なんと寂しいことでしょう。
しかし、そんな50代だからこそ、花火大会参加はオススメなのです。
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なぜなら、花火を鑑賞することで、いくつかの好ましい効果が期待されるからなのです。
花火鑑賞の効果を研究した宗家花火鍵屋15代目
なぜ50代こそが花火大会に行くべきなのか。
江戸時代、徳川8代将軍吉宗公が催した「両国川開き」という水神祭の際、花火を打ち上げたのが、日本の花火大会の起源とされています。
その後290年もの間続いている、日本の花火大会文化。
この「両国川開き」で幕府御用達だったのが、宗家花火鍵屋でした。
この由緒正しい老舗の15代目を引き継いだのが天野安喜子さん。
なぜ時代を超えて、花火大会は多くの人々の心をひきつけるのか。
天野さんは日本大学の大学院で、この謎を解明すべく花火に関する研究論文で博士号を取得されました。
天野さんは花火鑑賞が心に与える印象や影響について学術的に探究を深め、ご自身の花火大会の演出により磨きをかけておられるようです。
花火大会観客のアンケート結果
社会の情勢が変わっても、人々はなぜ変わらず花火大会を支持しつづけるのか天野さんは知りたいと思っていました。
花火鑑賞が人々の心に与える効果とはどのようなものなのか。
天野さんは、花火大会を訪れた観客約480名にアンケートを実施しました。
アンケート結果で多かった意見
- ストレス発散になった
- 明日への活力を感じた
- コミュニケーションが増した
天野安喜子さんインタビュー記事
天野さんのインタビュー記事に詳細が書かれているので読んでみましょう。
花火をご覧になった方は、まさに子どものように「おおーっ」と大声で叫んだり、「わーっ」と歓声をあげて拍手されたりしますが、これは身体と情緒が一体化した人間の原始的な反応が呼び起こされているのです。現代人は社会生活の中でなかなか大声を出すような機会がありませんから、お腹の底からみんなで大声を張り上げられる花火は、またとないストレス発散になるはずです。
(中略)
花火そのものから開放感や活力を得るだけでなく、花火で高揚した周囲の人々が互いにプラスの気を増幅しあうという効果もあり、花火は人の心身に大きなプラスの影響を及ぼすということがよくわかりました。
(中略)
花火は視覚的に「美しい」という印象が強いのですが、お腹に快く響く爆音から「力強さ」を感じる人が多いということが実験によってわかりました。音の大きさや音の数によっても印象が変わるので、そうしたことも演出の際に考慮しています。(中略)
まだ仮説ではありますが、学生時代に行った実験によると、花火がぱーっと開いたときより、花火がスーッと消えたあとの方が、人の脳波がリラックスする傾向にありそうだということがわかりました。こうした余韻を愛でたり、間を楽しんだりするのは、日本の文化特有のわびさびのメンタリティではないかと思っています。今の時代は、新しいものが注目されがちですが、昔ながらのこうした日本の良さを花火によってお伝えできればと思っています。
花火鑑賞の4つの効果
天野さんが提唱する花火鑑賞に期待できる効果について、以下のようにまとめてみました。
- 豪快な打ち上げ花火を観ることで、大勢のお客さんたちと童心に返って歓声を上げたり拍手をしたりして楽しむことでストレス発散ができること。
- 「ドーン」というお腹に響く花火の爆音に「力強さ」「エネルギー」を感じ、それが「明日も頑張ろう」という人々の活力へとつながるということ。
- 同じ時間を共有した人と話したり、また行けなかった人にも花火鑑賞の感動を伝えることなどでコミュニケーションが増えるということ。
- 花火の余韻を愛でたり間を楽しんだりすることで、わびさびを感じ、脳がリラックスできること。
花火の色や美しさに魅せられるのはもちろんですが、やはりなんといっても打ち上げ花火の魅力はあの迫力ある音なのでしょうね。
打ち上げ花火の音を聞くと心が高揚し気持ちが上がるのは、音楽を聴いて心が揺さぶられるのとよく似ているのかもしれません。
またコミュニケーションに影響を及ぼしたり、わびさびという日本人独特の美意識や美的感覚を刺激している、ということも、言われてみれば納得なのですが、さまざまな効果があることがわかりとても新鮮でした!
50代が花火大会へ行くべき理由
50代はライフスタイルの変化に伴い、以下のような問題を少なくとも1つは抱えがち。
- ストレスが溜まっている
- 活力が不足している
- コミュニケーションが不足しがちである
- 毎日気を張って生活している
50代が花火大会へ行くべき理由は、花火鑑賞の持つ効果が上記の問題解消に役立つからです!
しばらくデートしていない50代夫婦でしたら、暗闇効果で夫婦仲を修復する助けとなるかもしれません。
暗闇効果とは「暗闇の中では相手と接近しやすくなる傾向がある」という、アメリカ心理学者ガーゲンが提唱する心理効果のことです。
花火鑑賞の効果(おまけ:線香花火)
ちなみに花火鑑賞の効果は、巨大な打ち上げ花火のみならず、可愛らしい線香花火にもあるのだそうです!
ロウソクの炎、星のまたたきなどが持つ1/fのゆらぎのリズムに近いものが線香花火にはあり、リラックスや癒しの効果が期待できるそうです。
そういえば、線香花火の燃え方が変わっていくさまは、いつまでも見ていたい気分になりましたよね……。
今年の夏は久しぶりに庭で線香花火をやってみてもいいかもしれませんね。
まとめ
- 花火鑑賞の効果を研究した宗家花火鍵屋15代目
- 花火鑑賞の4つの効果
- 50代が花火大会へ行くべき理由
- 花火鑑賞の効果(おまけ:線香花火)
昨年まで中止や何らかの制限が設けられていた花火大会やイベントですが、今年は久しぶりに全面的に実施されそうです。
参加できたあかつきには花火鑑賞の4つの効果を意識しながら鑑賞すると、いつもと違った花火鑑賞となるかもしれませんよ。
今年こそ花火大会に参加して、明日への活力を手に入れたいものですね!
お読みいただき、ありがとうございました。
またのご来店お待ちしております。
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