2023年最もビジネス書として売れたのが『頭のいい人が話す前に考えていること』安達裕哉(著)。
ビジネスパーソン向けに知性や信頼をもたらすコミュニケーションの極意がわかりやすく説明された本として人気を博しています。
2024年も引き続き大人気で売れ続けています。
2023年ビジネス本1位!60万部突破!安達さんのベストセラー
2024年4月4日NHKラジオで著者の安達裕哉氏が生出演され、「新年度にこそ聴きたいコミュニケーション力」というテーマでお話されました。
企業コンサルタントして働く安達さんの経験や考察に基づくお話は、新しい気づきがいっぱい。
新年度や新生活がこれから始まる人に限らず、友人や親子関係のコミュニケーション力、自分の思考力を高めるためのアイデアがいくつか知れますよ!
安達さんがラジオ番組で語った「頭のいい会話のコツ」5つを紹介していきますね。
頭のいい会話のコツ①この人ちゃんと考えてくれているなと思ってもらう
あなたが誰かから相談を受けたとします。
アドバイスを貰いに来たのだから、あなたは一生懸命考えて、すぐに答えを出そうとします。
ところが、あなたがその人のために考えて悩みに対して即座に回答しても、その相談者からの悩みを解決したことにはならないのです。
なぜなら、人は「自ら考えたことしか実行しようとしない」から。
相談者が本当に必要としているのは、「あなたに一緒に考えてもらい、あなたに質問をしてもらうことで自分の考えを深堀りしてもらう」こと。
一方的な回答を押しつけられることではないのです。
例えば、経営者の方が「我が社では人材がなかなか育たないんだよね」「我が社では売上が伸び悩んでいる」と悩みを打ち明けたとします。
それに対して、「それでは今までどういうことを試してきましたか」「わかりました。その効果はいかがでしたか」「その結果に対して今後どういう新しい対策をお考えですか」と、どんどん経営者の方の考えを深堀りする質問をしていく。
そうすると、最終的に「◯◯という対策を今考えているんだよね」と経営者の方の本音が出てくるのだそう。
つまり、あなたが行ったことは、「経営者の方の思考を整理し考えを引き出した」ということ。
つまり、本当の回答は相談者の心の中にある、ということなのです。
この話の聴き方で、相談者は「自分の思いをちゃんと聴いてもらえた。自分の思いが尊重された」と安心し、あなたを信頼するようになります。
これこそが「この人ちゃんと考えてくれているなと思ってもらう」というメソッドです。
頭のいい会話のコツ②キレない
職場の人間関係、親子関係、友人関係。
どんな関係においてもスムーズで和やかなコミュニケーションが取れる関係が理想ですが、価値観の違いや想像力の欠如から相手によって嫌な思いにさせられることも現実には起きます。
そのような場合の安達さんからのアドバイスはこうです。
「人からどんなにムカつくことや腹の立つことを言われても、すぐに口を開かない」
冷静に対処し、何か起きても「一瞬待つ」「すぐ反応しない」これらがトラブル回避の極意である、と。
時間を置くことで自分が次に言うことを考えながら、心を鎮めることができるのだそうです。
コンサルタントの先輩から徹底的に「反応しない」ことを訓練されたのだそうです。
とはいえ、人間だからムカつくことを抑えるのって難しいですよね。
感情的になっている相手にさらに感情でものを言っても逆効果である、というのは肝に銘じておく必要はあるでしょうね。
安達さん著書によると、「怒っている時は人間の頭が悪くなる瞬間であり、冷静になるには6秒待つことが大切」
「何かを言いたくなったときほど、逆に口を閉じる」とにかく反応しないことに徹することが大事なのだそうです。
頭のいい会話のコツ③人と闘うな。課題と闘え。
他人とはもともと意見がぶつかるもの。
しかし、意見の違う相手をやっつけたりねじ伏せたりするのでなく(論破✕)同じ課題に対して闘う味方同士と考えること。
だから例え価値観や考え方の相違で意見が食い違っても相手を無理に説得しようとしないこと。
食い違いの背景として相手が本音を隠して話していることがあるので、話していることだけが全てととらえずその背景にある本音を引き出すことがとても大切なのだそう。
例えば、知人の家具屋さんの話。
納品したものに不具合があり、クライアントに「すぐに取り替えて欲しい」と迫られた。
しかし、当日は休日だったため「今日中にはできない」ことをわかってもらおうと説得しようとしたが、クライアントの怒りは収まりがつかない。
そこで、なぜ今日中に頼みたいのか、理由を尋ねた。
すると、「明日は旅行がある。気持ちいい状態で旅行に行きたかったのに。」とクライアントが心の内を話し始めた。
それに対し、本当に申し訳なかったと家具屋の知人が詫びの言葉を入れたところ、クライアントも落ち着いてきて詫びを入れたことに対して感謝され、後日の取り換えでOKとなった。
単なるクレーム、と処理せずにきちんとクライアントの話を聴いたことでクライアントに納得してもらえたのですね。
今回のラジオで安達さんは「聴くことの大切さ」を何度か強調されていました。
相手の話を深く聴くコツ3つ
- ただ単なる傾聴ではなく「理解するまでちゃんと聴く」。
- 相手の話に対して「良い」「悪い」といった評価を安易に言わない。実際、話を十分に聴かないうちから同意してしまうと「安易な同意だ」と怒られる場合もある。
- 表面上の頻繁なやり取りよりも、相手がしっかり考えることができるよう、間に空白や間を置く。
そうすることで相手の本音がポロッと出てくるようですよ(ちょっとテクニックがいりそうですね)。
何か相手に対して聴きたいことがある場合、ダイレクトにきかず相手が話したいことを話すまで「最近どうですか?」「どこの食事が美味しかったですか?」と外堀を十分固めてから本題に入る。
だから、たったの15分で本音を聴くのは難しい。少なくとも2時間くらいかけないと深く聴くことができないそうです。
これは、友人や家族でじっくり話をしたい時に習慣的に私たちも行っていることですよね。
初対面の相手に対しては、メインの話題は後に回し、趣味や好きなことなどを取り上げることで相手を少しでも知ろうとする気持ちを伝えるとよいコミュニケーションが始められるような気がします。
ただしいつでもコミュニケーションの時間がたっぷりあるとは限らないので、難しいところですよね。
頭のいい会話のコツ④考えることは整理すること
コツ④以下は、ラジオでは時間がなくなってきたためか、アッサリと要点のみの内容でした。
「整理とは必要なことだけ残すこと。話す時には肝心なことだけ残して、あとは捨てましょう。」
「自分がしたい話でなく、相手が聴きたい話だけする(つまりは結論を言う)ことが大切。」
安達さんの著書から少し内容を補いますね。
結論から話せない人の特徴に、言い訳を最初にしてしまう人や、過程から順に説明してしまう人がいます。それは”自分がしたい話”なのです。
私が社会人1年目の頃先輩と話す時ビクビクしてしまい、怒られないよう丁寧に話さねばと回りくどい挨拶(「あのお忙しい中すみませんが」)をつい付け加えてしまい「何が言いたいの?」とイライラされてしまった経験が。思い返せばまさに頭の中が整理されていなかった!
「失礼します!◯◯お願いします!」と思い切ってシンプルに伝えれば相手に聴くスイッチをすんなり入れることができる、というわけですね!
頭のいい会話のコツ⑤言語化の質を高めよう
「ヤバい」「エモい」「スゴい」などは使わない。
頻繁に使っていると、言葉を使う力が落ちてくる。具体的に言い換える。
言葉の選択肢をできるだけ広く取っておく。
安達さん著書によると、これらは「語彙を貧弱にする安易な表現」。
なぜなら、どんな感動もこれらで成立してしまうから。
では、使わないとなるとどう表現したらいいのでしょう。
こういったことを考えることで脳に思考のスイッチが入り、言語化の質を高めることができるそうですよ!
まとめ
安達さんの「頭のいい会話5つのコツ」を振り返ってみましょう。
- 頭のいい会話のコツ①この人ちゃんと考えてくれているなと思ってもらう
- 頭のいい会話のコツ②キレない
- 頭のいい会話のコツ③人と闘うな。課題と闘え。
- 頭のいい会話のコツ④考えることは整理すること
- 頭のいい会話のコツ⑤言語化の質を高めよう
①のコツの話については、娘が思春期の頃の自分を思い出して反省してしまいます。
娘から相談されたからアドバイスしたのに、その私の行為に対してよく娘にキレられていました。
さらにそんな娘に腹が立って、こちらもキレる。悪循環の繰り返しでした。
娘はよく言っていました「アドバイスは要らない!話を聴いてくれるだけでいい。『そうなんだね、そんな気持ちなんだね』と受け止めて欲しいだけなのに!」と。
こちらは娘の問題解決のためにアドバイスしているのに、アドバイスすれば怒られる。矛盾している!!何でだ!!とその渦中にいた頃は娘の苦しさにちっとも気づけず私自身も非常に苦しかった。
今思えば娘が私に求めていたのは「悩みを解決すること」ではなく、私に「自分の苦しさを共感して欲しい」「もっと寄り添ってほしい」これが答えだったのです。
その頃にこの本があればよかった笑
今回、安達さんご本人のお話で、より本書への理解が深まったのが嬉しく感じました。
「頭のいい~」という表現をされていますが、思考力や言語能力などのコミュニケーションを支える力を高めるためのアイデアがたくさんつまった優れた本。
まだお読みでない方にはオススメです!
私自身ももう一度気に入った箇所(「読書ノート」「ノウハウメモ」のパート)を読み返してみようと思います!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
またのご来店をお待ちしております。
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