ビデオの「ビ」の字も家庭になかった時代、好きな歌手やアイドルのTV出演を見逃すまいと、TV前で正座して待ち構えたものでした。
70~80年代にかけて生放送のベストテン系番組が流行っていたころ。
TBSの人気歌番組「ザ・ベストテン」などの音楽番組で好きな歌手たちの生歌唱を見られました。
「好きなスターをリアルタイムで見ることができる」生放送は、本当に貴重でステキな時間でした。
この「TVに正座」シリーズでは、特に昭和時代を彩ったアイドルやスターに焦点を当てその魅力を解説していきます。
今回は昭和のスーパースター「山口百恵」さんの名曲について。
どれも名曲なので、名曲の中の名曲で、特に百恵さんらしいエピソードのある曲を選んでみました。
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昭和歌謡アイドル山口百恵のオススメ名曲とは
筆者が山口百恵さんの数ある素晴らしい作品の中で特にオススメしたい名曲をいくつか挙げてみましょう。
山口百恵オススメ曲①横須賀ストーリー
『横須賀ストーリー』は百恵さん13枚目のシングルで、阿木燿子・宇崎竜童夫妻が百恵さんに手掛けた記念すべきシングル第一作目です。
百恵さんと阿木燿子・宇崎竜童夫妻とのエピソードが読みたい人はこちら!→昭和歌謡アイドル山口百恵編②~百恵を支え共に花開いた人たちとは?
編曲は萩田光雄さん。
萩田光雄さんは日本を代表する作・編曲家で、太田裕美さんや郷ひろみさん、中森明菜さんの作品などを手掛け現在も活躍されています。
百恵さん作品の多くを萩田光雄さんが手掛けていますが、百恵さん作品のアレンジが本当によくハマっていて大好きです。
短いのにインパクトのあるイントロと「これっきり~これっきり~」という繰り返しの言葉が印象的。
阿木さんの詞は小説を読んでいるかのように歌が一つのストーリーになっています。
「年上の恋人に自分への思いを確かめたい気持ち」と「やっぱり聞けずに相手に流されてしまう恋心」と「横須賀の海の香り」!
そして繰り返されるドラマティックなメロディー。
これを聴いて切ない気持ちにならないわけがない!
横須賀の町に対して、百恵さん自身並々ならぬノスタルジーを抱いていることが著書の『蒼い時』に記されています。
カバー曲としても人気がありますね。アカペラで歌われたRAG FAIR版(百恵トリビュートCD)もなかなかステキですよ。
山口百恵オススメ曲②秋桜(コスモス)
『秋桜』はさだまさしさん作詞作曲、編曲萩田光雄さん。百恵さん19枚目のシングル。
この曲は嫁ぐ女性とその母親を描いた歌。
「小春日和」という言葉がここまでメジャーになったのはこの歌がきっかけではないでしょうか。
あと「縁側」とか「アルバム」など歌に描かれる日本的な風景にノスタルジーを感じます。
嬉しくもあり悲しくも寂しくもある母娘のお別れを歌った詞は、年齢が上がれば上がるほど心に染みてきます。
当時18才だった百恵さんはさださんに電話で「この曲は(結婚をテーマとした作品だから)まだピンとこないでしょう?」とたずねられ、「はい」と答えたという。
そしてまさに百恵さんのラストコンサートの日にさださんに「ようやくこのうたの意味が分かりました」というメッセージを送ったそうです。
この時百恵さん弱冠21才でしたけど、芸能界での7年半がどれだけ百恵さんを大人にしたのだろう(ならざるを得なかったのか)と。
この曲の繊細な歌詞とドラマティックなメロディーが素晴らしい。
ハープの音色がさらに曲のメロディーの美しさを引き立てています。
そして、ピアノ演奏は「西部警察」「渡る世間は鬼ばかり」のテーマ曲作者の羽田健太郎さん。
羽田さんは他にも『勝手にしやがれ』(沢田研二)『あなた』(小坂明子)『もしもピアノが弾けたなら』(西田敏行)他、当時の人気歌手のレコーディングに多数参加されていたと知り驚いています。
山口百恵オススメ曲③ロックンロール・ウィドウ
『ロックンロール・ウィドウ』は阿木燿子作詞宇崎竜童作曲、萩田光雄編曲。百恵さん30枚目のシングル曲。
レッド・ツェッペリンの『ロックンロール』をモチーフに制作されたとのこと。
髪型もカーリーヘアーにし、百恵さんのシングルとしては始めての本格的なロックチューンでした。
当時は筆者としてはちょっとついていけない感じではありましたが、先日百恵さんのラストコンサートでこの曲を視聴した際、百恵さんの歌唱の素晴らしさに聴き惚れてしまいました!
何というか、ロックだからと無理している感じではなくて、のびやかに、自由に、悪い女をちょっぴり楽しんでいる感じが伝わってきます。
元々アルバム曲の一つに過ぎなかったというのは驚きです!
結婚を控えた百恵さんがこのタイミングでウィドウ(未亡人)を歌の中で演じるという行為が良い意味で引退が決まってもさらに百恵さんのイメージを覆していく、という挑戦的なコンセプトでシングル発売が急遽決まったのです!
引退が決まっていてもさらに挑戦をやめない姿勢……実はこのコンセプトはスタッフにとても受けがよかったそう。
チーム百恵さんの最後の遊び心だったのかなとも思えるステキなエピソードだと思います。
そしてコンサートを百恵さんは愛していらしたことがラストコンサートを見ると伝わってきます。
レコーディングされた作品も素晴らしいのですが、ライブで水を得た魚のような生き生きとした歌唱の百恵さんにもぜひ注目してもらいたいです。
山口百恵オススメ曲④一恵
『一恵(いちえ)』は横須賀恵作詞谷村新司作曲、萩田光雄編曲。百恵さんの32枚目のシングル。
事実上のラストシングルと言われていますが、リリース日が三浦友和さんとの結婚式当日である1980年11月19日であり、この日を発売日としたというのは百恵さんの並々ならぬ決意の表れなのだと思います。
なんと曲の長さは6分を超える長時間録音。
リリースは引退後ですが、引退前に出演した歌番組「夜のヒットスタジオ」やファイナル・コンサートで披露されていました。
この曲の作詞者横須賀恵とはなんと百恵さんご本人。
「横須賀恵(よこすか けい)」名義の作詞曲は全部で6曲あり、次の4曲はアルバム収録曲。
- 銀色のジプシー(14枚目アルバム『COSMOS(宇宙)』収録、浜田省吾作曲)
- CRY FOR ME(18枚目アルバム『L.A. Blue』収録、波多野純作曲)
- DANCIN’ IN THE RAIN(18枚目アルバム『L.A. Blue』収録、浜田省吾作曲)
- 想い出のストロベリーフィールズ(22枚目アルバム『This is my trial』収録、杉真理作曲)
次の一曲のみ親友の一人である高田みづえさんへ楽曲提供されました。
- 通りすぎた風(谷村新司作曲)
母からもらった名前通りの多すぎる幸せよりも、自分はたった一つの幸せ(一恵)を選んだ、というのは百恵さん自身のことに間違いないでしょうね。
歌詞中の「現(うつつ)に戻す罪の深さ」という言葉の表現力には舌を巻いてしまいます。
罪なんて言わなくて良いのに言っちゃうのがファンを愛していた百恵さんなのかな。
百恵さんの生き方を表しているといえるこの『一恵』。引退後にリリースされた数多くのベスト盤に必ず収録されていていまだ多くのファンからも人気の曲なのです。
山口百恵Disco&Soulを聴いてみよう
まとめ
奇しくも2024年1月2日のNHKBS放送(夜9:00~10:29)で昭和アイドルの仕掛け人たちのドラマ「特集ドラマ アイドル誕生 輝け昭和歌謡」がオンエアされます!
森昌子、桜田淳子、山口百恵の花の中三トリオを始め、ピンク・レディー誕生など、日本中にアイドルブームを起こした「スター誕生」というオーディション番組がありましたね。
今回、俳優宮沢氷魚さんが都倉俊一さんを演じるなど、アイドルの誕生秘話がドラマ化されたとのこと。
録画準備して楽しみに拝見しようと思っています。
今回はお読みくださりありがとうございました。
またのご来店をお待ちしております。
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